レイカル 13 十二月「レイカルの大晦日」

 言い返してもナナ子は得意げに微笑む。

「私には! 伽クンと言う彼氏がいる! この意味、分かるでしょ?」

「あー、はいはい。イチャついてなさいよ、バカップル」

 軽くあしらうが、小夜の胸中に湧いたもの寂しさは解消してくれなかった。そもそも、作木へときっちりとしたアタックができなかったのもさることながら、年の瀬と言うのは、どこか慌ただしさと、そしてこの一年にできたこととできなかったことが脳裏を掠めて、落ち着かないものだ。

 自分の性分なのかもしれない。

 創主になっても、こればっかりは拭えてくれない。

「……今日は削里さんのところで年越しパーティじゃない。あんたがそんなんでどうするのよ」

「分かってるって……。って言うか、さっきから何してるのよ、そっちは」

 ナナ子は作業の手を止めてそれを広げる。ふんと鼻息を荒くした。

「新作っ! 後でラクレスとレイカルに着てもらうのよ。あの子たち見栄えだけはいいからねー」

 ナナ子の新作衣装は振袖であった。また手間のかかる題材に手をつけたものだ、と小夜はどこか諦観さえも浮かべる。

「……あんたとこうしてルームシェアしてから、結構経つのか……。何だかんだで理解していないのかもね」

「……何、小夜。殊勝ね。何かあるの?」

「いや、別に……。でも、何かさ。こうして、年を越して、それでまた一年よろしくーって何食わぬ顔で会って、さ。それっていつまで続けられるのかなって……」

「若い身空で何考えてんだか。今! 楽しまないと損なんだから! そうじゃなくったって小夜は芸能活動も重視でしょ? だったら、若いうちにできることはしないと。作木君との間だってそうよ。決着をつけたいんならそうしないと!」

 それは恋する乙女としての忠告だろうか。それとも長年連れ添った友人としてのせめてものアドバイスか。いずれにせよ、どっちつかずなのは否めない事実。

「……そうよね。あんたはあんたで、こうしてデザイナーへの道を突き進んでいるわけだし」

「小夜だって、芸能人になれるんじゃないの? トリガーVの人気、いいんでしょ? 歴代戦隊でもうなぎ上りだって」

「私よか、イケメン俳優推しだって、みんな。男勝りだって嫌われてんのよ」

 手を払ってその話題をいなすが、ナナ子はいやいや、と頭を振った。

「そっちの層には需要あるってきっちり製作陣だって分かってるんでしょ? ピンクとのカラミが増えたってネット上じゃ大評判よ?」

「あー、うん。まぁ、どういう層を手に入れようとしているのかは謎だけれど……」

 元々特撮には疎い分、自分がブレイクしているのかそうでないのかも若干不明なところがある。深いため息を一つついて、小夜は窓の外を眺めた。

 凍てついた寒空に風が吹き付ける。

 テレビを点けると年末に向かって様々なイベントが催されているのが色とりどりのシーエムや特番で盛り立てられる。何だかそれ一つ取ってしてみても異様に慌ただしく、どこか憂鬱の一ページになってしまうのだ。

「なぁ、小夜ー。どれも同じようなテレビばっかだなー。年の瀬ってつまんないのー」

 カリクムがリモコンのボタンを押してザッピングする。確かにどれもこれも同じような趣向ばかりで飽き飽きするのもよく分かる。

「人間の営みなのよ、これも。オリハルコンには馴染みない?」

 問いかけにカリクムは、うーんと呻る。

「だっていついつが年末だとか、年明けだとかって……それって人間の決めた基準だろ? 何だか変じゃないか。みんながみんな、そういうルールに縛られて焦っているなんて」

 悠久の時を生きるオリハルコンならではの観点か。それとも、カリクム独自の目線だろうか。小夜は半分同意しつつ、年末特番で集った芸人たちをどこか醒めた眼差しで見据えていた。

「そうよねー……。結局は人の決めたルールに、人が縛られているって変っちゃ変なのよ。でもまー、それも含めて人間なんでしょうねー」

 よくは分からないが、そういう側面もなくては人間、窒息してしまう。

 こういう、しがらみも含めて人間の紡いできた歴史なのだろう。時にはそれに雁字搦めになっていても、それさえも人生だと楽しみ嘯けるだけの余裕があれば、の話でもあるが。

 今の自分にはどこかそれもないような気がして、小夜はため息を重ねる。

「小夜。ため息、五十六回目。そんなに憂鬱なら外に出てリフレッシュすれば? 何かマシなことの一つはあるかもよ?」

「マシなことって……。私、そんなにつまらなさそうにしてる?」

「してる。だから言ってるんじゃない。それかさっさと削里さんのところに集合しちゃえばいいくらいかもね。何だか今の小夜、見ているだけで息が詰まっちゃう」

 同居人にそこまで言われれば、小夜とて立つ瀬がない。コートを着込み、小夜はカリクムを手招いていた。

「行くわよー、カリクム。それにキャンサーも」

「おっ、出かけるのか? でもまだ集合の時間じゃないだろ」

「ちょっと気晴らし。まぁ、付き合いなさいよ。年末の人間ってのを……まぁ観に行くだけだからさ」

「面白いのか? それ」

「……どうかしらね」

 突き刺す冷風を身に受けながら、小夜は雑踏へと歩を進める。

 ――クリスマスが終わり、遂に年越し、そしてハッピーニューイヤー……。

 その流れにどうにも乗れない、ただの気紛れがこうして人波に呑まれるのは、どこか滑稽でもある。

「新年明けましてって言っても、何だかピンと来ないのよねー。この感じって年々かも」

 フードに隠れたカリクムがぴょこんと顔を出して周囲を見渡し、ふぅんと得心する。

「何だか、人間って大変だよなー。それに面倒くさいし。そんなに流れに呑まれるのが嫌なら、別にずーっと家に籠っていたっていいんだろ? ちょうど仕事は休みだしさー」

「……それは俗に寝正月って言うのよ。そっちはそっちでカテゴライズされているってわけ」

 どっちに転んでも、何だか損をしているようで小夜は承服し切れなかった。大きな流れに乗って大晦日を謳歌しようとしても、もう何度も繰り返したか分からない年中行事だ。今さら年明けに特別な気分を持ち込むことのほうがどうかしている。

「小夜さー……別にいいじゃんか。どう言われても、どう思われたってさ。何でそんなに気にするんだ? 普段はそんなじゃないだろ?」

 そうかもしれない。普段は、むしろ存分に楽しむ側だ。

 春が来れば花見に繰り出し、夏が来れば海を謳歌し、秋が深まればその都度楽しんできた。

 だが年の瀬だけは、どうにも馴染まない。

 いや、もっと言うのならば、「来て欲しくない」、のかもしれない。

「……子供の頃はね。クリスマスの後のお正月って、すごい特別な感じがしたものよ。でも、この年になってまでそれを引きずるのもどうかって思うのよね。子供の頃って言えば、よくあったのが、年が明ける瞬間にジャンプしたり、零時過ぎまで起きていたり……。大晦日だけは、夜遅くまで起きていても許されたっけ」

「……何でジャンプなんだ?」

「年明けの瞬間に自分は地上にいなかった、って言う……まぁあるあるネタよ」

 よくよく考えてみれば下らないが、そういうものに興じられた時分もあったという事実はある。しかし、年々そういうものへの情熱は消えていった。いや、消えた、と言うよりかは慣れた、が正しいか。

 ときめきを失った自分にがっかりするよりも、こうして皆が忙しく、皆が歳末ムード一色なのをどこか達観したほうが楽なのもある。

 嫌な意味で大人になったことを肯定しないで済むからだろう。

「……こんな大人になるつもりは、なかったんだけれどね」

「小夜って時々変だよなー。別に気にすることじゃないだろ。さっさとヒヒイロのところに合流して、レイカルたちを茶化してやろうぜ。あいつ、まだこういうのに慣れてないから、きっとあいつの創主も大変だろうなー」

 ああ、そうか、と小夜は思い至る。作木とレイカルからしてみればまだまだ経験不足な歳末。ともすれば人一倍忙しいかもしれない。

 こういう時に気が利く女がいざという時にはモテる。

 小夜は、よし、と腕まくりしていた。

「ちょっと走るわよ、カリクム。ここ一番を見せないと、魅力的には映らないもんね」

「……何だよ、リアクションの忙しい奴だなー。ま、急ぐのには同意だけれどさ」

 駆け出した小夜はクリスマスの売れ残りを売りさばくケーキ屋や、お歳暮や年賀状を売るのに余念がない人々の商店街を抜けて、作木の待つであろう場所へと向かった。

「えっ、小夜さん? ……削里さんのところに集合予定では?」

「ちょっと寄り道。って、あれ? レイカルは?」

 覗き見た作木の部屋にはラクレスは認められたものの、レイカルの姿は見当たらない。きょろきょろと見渡す小夜は部屋の隅にある専用布団に丸まったレイカルを発見していた。

 まさか、布団に包まるレイカルを目にするとは思いも寄らなかった小夜はちょんちょんと指差す。

「……どうしたの? 風邪?」

「いえ、その……。レイカルはまだ活動時間じゃないんです」

 呆気に取られた小夜にカリクムがレイカルの布団へと歩み出る。

「なぁーにやってんだ。起きろー! バカー!」

 蹴りつけたカリクムにレイカルは丸まったまま身動き一つ取らない。さすがに異常事態だと感じ取り、小夜は声を潜ませた。

「……本当に何かあったの?」

「いえ、そうでもなく……」

「そろそろですわね」

 ラクレスが時計へと顎をしゃくって言いやる。何が、と困惑する小夜とカリクムを尻目に、目覚まし時計が盛大な音を立てていた。

 その瞬間にレイカルが布団を蹴り上げて飛び起きる。

「そ、創主様! ……これで大丈夫ですよね?」

「うん。まぁ、別に寝ちゃう必要性はなかったと思うけれど……」

 頬を掻いて苦笑する作木に対し、レイカルはおおっ、と声を弾けさせる。

「ぴったり六時間! あと六時間なんですね! 今年も! 何だかワクワクします……!」

「えーっと……どういうこと?」

 指差した小夜に作木は困惑して説明する。

「ヒヒイロに聞いちゃったみたいで。ホラ、レイカルって眠たくなっちゃうと寝ちゃうから年明けまで我慢できないじゃないですか」

「あー、うん。そこんところはあるわね」

「だから、今年だけは絶対、年明けの瞬間まで起きているんだって息巻いちゃって……。それでわざと体内時計を狂わせて起きようって言う……変な入知恵しちゃった僕も悪いんですけれどね……。元日の零時まで起きているといいことがあるって言っちゃったから」

「入れ知恵? 作木君、レイカルに何を言ったの?」

「それは……」

 返答が来る前に、レイカルが持て余した体力を存分に振るう。

「創主様! これだけ元気なら、年明けも平気です! 絶対に、今日は起きてますからっ!」

 ふん、と鼻息を荒くするレイカルに作木は困ったように微笑んだ。

「うん……。でも、レイカル。あれってあんまし意味がないような……」

「何をおっしゃいますか! 創主様が子供の頃にやっておられたのでしょう? 私もやってみたいです!」

「参ったな……。変なこと言わなきゃよかったかも……」

「あんた……それで布団被っていたわけ? バカだよなー」

「あっ、カリクム! さてはさっき蹴ったのはお前だな! 危うく起きるところだっただろ!」

「別に起きたっていいだろ! そもそも眠くなったら寝ちゃうってのがガキっぽいんだよ!」

「カリクムには分かんないんだろ。お前、変に大人ぶっているもんな」

 肩を竦めるレイカルにカリクムがぬぐぐ、と悔しがる。自分からしてみればどっちもどっちなのだが、カリクムは向き直って言いやった。

「よぉーし! どっちが長く起きていられるか、今日は競ってやる!」

「望むところだ! だが、私はもう数時間は寝た。この時点で勝ちは決まったも同然だな! そうでしょう、創主様!」

「あー、うん。どうだろ……」

 言葉に詰まる作木を他所にレイカルとカリクムは張り合う。それをどこか遠く眺めているラクレスは妖艶に微笑んでいた。

「子供ねぇ……。ねぇ、作木様。せっかくの大晦日の夜なのですもの。特別なこと、致しませんか?」

 こっちはこっちで邪念の塊である。

 小夜はばっと前に出てラクレスの誘惑の視線を阻止していた。

「……あー、もうっ! 何なのよ! あんたたちってば!」

 こちとら少しばかりナーバスだと言うのにそれを感じさせてもくれない。レイカルとカリクムが窓を突き破ってヒヒイロの下へと飛び立っていった。

「私が先ーっ!」

「私が先だっての!」

「ああっ……寒いのにまた窓割って行っちゃった……」

 修繕費、とぼやく作木に小夜は呆れ返っていた。

「……浮かれちゃって……もう」

「――で、じゃ。そもそも年越しそばの歴史は古く、江戸時代には成立していたという文献もあるくらいでのう。その一年の悪い縁を切る、という意味で切れやすい麺が重宝されたとも、またゲン担ぎの意味があったとも言われておって……」

「ナナ子ー! そばのおかわりくれ! 私は知っているぞ! こうやってそばをたくさん食べた奴が優勝なんだ!」

 テレビで仕入れた知識でそばを要求するレイカルにヒヒイロが額に手をやって嘆く。

「……それはわんこそばじゃろう……。どうしてこう、こやつはまともに知識を仕入れんのか」

「あの……ゴメンね、ヒヒイロ。僕がちょっと間違えて教えっちゃって……」

「ああ、作木殿のせいではございませんよ。それにしても……よく食うのう……」

 既に三十杯目を超えたレイカルの年越しそば――ではなく「年越しわんこそば」にヒヒイロは辟易する。

「お腹を空かしておくといいって教えちゃったのも……僕で……。すいません、削里さん。何だか押しかけちゃって……」

「いや、いいんだけれどね。俺たちが元々は集まらないかって言い出したもんだし。ヒミコ、観るのは紅白だろ?」

 テレビの前でリモコンの争奪戦をするのはヒミコとラクレスだ。

 リモコンを独占しようとするヒミコをハウルでチャンネルを操ったラクレスが邪魔する。

「ああっ、もう! 大晦日は格闘技でしょ!」

「分かっていないのねぇ……。笑ってはいけない奴があるでしょう……? あれ、叩かれているのを観ているとこう……ゾクゾクって来るじゃなぁい?」

「行き過ぎたサディスティック趣味を晒すのが年末じゃないでしょ! 観るのは格闘技!」

「いいえ、笑ってはいけない奴を」

「いや、だから紅白だってば」

 各々のチャンネルが交錯する中で小夜はため息をついていた。

 カリクムもレイカルと張り合うのに余念がないようで既に限界を迎えているのにわんこそばをかけ込んでいる。

「無理しちゃ駄目よー。……ったく、人の気も知らないで」

「……すいません。小夜さん。もしかして騒々しいのは、お嫌いでしたかね……」

「……いいのよ。作木君とこうして過ごせるのはね。ただ……お昼までほとんど憂鬱だったのに、そう簡単に気持ちは切り替えられないってだけの……わがままなのよ」

 視線を落とした小夜に作木はそっと口を開く。

「でも……こういうの、僕はとてもいいと思うんです。そりゃ、年越しの形としてはちょっとばかし荒っぽいし、喧しいかもしれませんけれどでも……。こうして来年も、再来年も……みんなと居られたらなぁって思うと……」

 自然と綻んだのだろう。作木の微笑みにはいささかのてらいもなかった。

 元はと言えば、とんだ因縁。

 レイカルが生み出され、カリクムが突っかかり、ヒヒイロが彼女らを導き、そして――ラクレスが改心しなければこうして目の前にさえもなかったかもしれない光景。

 それこそ一時の幻のようではないか。

 あり得なかったかもしれない眩さがこうして形を伴っているなんて。

「……感謝、か。でも、変な感じ。何だかねー。こうしていると、思っちゃうのはすっごい、安っぽいかもしれないけれど……それでも永遠じゃないんだなって思うのよ」

 そう、永遠なんてあり得ない。

 この景色も、この思い出も、いつかは色あせていく。いつかは消えていく。だったら、年なんて明けないほうがいいではないか。過ぎ去る日々を簡単に切り捨てていいわけもないではないか。

 作木は少しだけ思案するように中空を見据えた後に、ふっとこぼしていた。

「でも……月日は過ぎ去るから意味があるんだと、そう思うんです。だって、そうじゃなきゃ絆も……僕らはここまで刻めなかった。こうして今があるってこと、それそのものがこれまでの積み重ねなんだと思うんです。だから……」

 そこから先を作木が口にしようとして、レイカルがテレビを指差す。

「あーっ! もう年明けじゃないか! 創主様! やっていいですよね!」

 期待の眼差しに作木は苦笑して頷く。

「うん。やっておいで」

「何をするつもり?」

 訝しむカリクムにレイカルはテレビのカウントダウンをじぃっと眺めつつ、声にする。

「行くぞぉ……っ」

 カウントが十秒を切る。

 5、4、3、2、1……と刻んだところでレイカルは不意に――それこそ不意打ち気味に、大きくジャンプしていた。

 小夜は目を見開いてその姿を捉える。

 着地したレイカルは作木へと振り返って目を輝かせていた。

「やりました! 創主様! 年明けの瞬間に私はこの地上にいなかったんですよ!」

 ふふん、と誇らしげなレイカルにカリクムとヒヒイロは呆れ返る。

「……何だ、そんなことかよ」

「何だとは何だ! お前は地べた踏んでいたからな! しっかり見ていたぞ!」

「なっ――ちょっと地上から離れていただけで偉そうに!」

「カリクム、お前は今の私に追いつくのには、あと一年待たなきゃいけないからな! この差は大きいぞ!」

 ぐぬぬ、と悔しがるカリクムに小夜は呆気に取られたまま、作木へと問いかけていた。

「……入れ知恵って……今の?」

「あ、はい……。よくやったなぁって。思い出話をしたんですよ。年越しの瞬間に、ジャンプして地上にいなかったって奴を……。子供っぽ過ぎますかね?」

 困ったように笑う作木に、小夜は覚えず笑いをこぼしていた。

 ――何だか自分の憂鬱なんて、年明けジャンプ程度でそそがれてしまったかのような……。

 だが心地よい。そんな感覚に小夜は身を浸す。

「……こういうのなのかもね。あんたたちといると退屈しないのって」

「何か言ったか? 小夜」

 振り返るカリクムに小夜はウインクする。

「何でもないっ! それよりもカリクムー、あんたレイカルに差をつけられたわねー。年明けジャンプはなかなかに大きな差よ?」

「えっ、そうなのか? ヒヒイロー、追いつく術を教えてくれよ!」

「とは言ってものう……」

 当惑する彼女らを眺めつつ、小夜は元旦のお祝いムードに包まれたテレビを視野に入れていた。

 削里がカレンダーを捲り、一月が訪れる。

「……明けましておめでとう、か。何だかとっても……いい年明けな気がする!」

 そう、行く年来る年を胸に抱いて。

 ――また騒々しい一年が、始まる。

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