JINKI 2 監視塔の男

「人機に魅入られたのさ。あいつは」  そうあだ名される男はいつも監視塔にいる。言われて興味を持ったのは、ベネズエラ軍部に配属されて三ヶ月が経とうとした頃であった。  新兵である自分には全てが新しく、慣れない事ばかりであっ […]

JINKI 1 交差する場所

「精が出るものだ」  資料を手繰ったジュリへとかけられた言葉に、彼女は面を上げる。  戦士の威容を漂わせた巨漢が、眼前に佇んでいた。丸テーブルを挟んで彼はじっとこちらを見つめる。まるでその意思を探るかのように。 「……仕 […]