JINKI 50 素直になれない背中

 初めて試合中に足を折った時、どうしようもない、と思ったのをよく覚えている。

 数式の見える眼がもう使えなくなった頃だ。

 だから、足が治るまでの物理的な演算も、ましてや計算式も見えないのはまさしく暗闇の中を行くようで、とても怖かった。

 メンバーはすぐ治る、と言ってくれたし、主治医も同じように言ってくれたが、それでも不安は掻き消せなかった。

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