「うおっ! 何だこれ……猫用のおもちゃじゃんか……。誰だよ、こんなの選んだの……」
「創主様! すごいです、これ! 戦闘力に満ち溢れています!」
レイカルが引き当てたのはナナ子がプレゼントした子供用の光線銃だ。
電池式で音が鳴る、本当に子供向けのものだが、レイカルは満足らしい。
「どうだ、カリクム! 私のほうが戦闘力が上だろう!」
「うぅー……何で猫用の? くっそー、これ買った奴、呪ってやるー!」
「あら、ウリカル。いい普段着をもらったわね」
「はい、ラクレスさん。これ、鍛錬時にちょうどいいです! 押忍!」
ウリカルは作木の見繕ったジャージに袖を通していた。
ラクレスには妖艶なドレスが贈られている。
「今年も無事に……か。それって意外と、得難いものなのかも、しれないかもね」
作木は酔っぱらったヒミコが踊り出したのを、おとぎと水刃、それに懿が遠巻きに眺めている様子と、こたつに入った削里がゆったりと晩酌しているのを視野に入れていた。
――それぞれのクリスマスイヴが暮れ、そして……一年が今年も終わる。
それは来年へと続く、絆の切符でもあるのだろう。
こうして、大騒ぎすることもまた、必要なはずだ。
「また来年、か。楽しみだな」
季節が何事もなく無事に巡ることを、今は夢見て――。
「――創主様! やはりサンタは来ていたようです!」
翌日、靴下にプレゼントが入れられているのを発見して、レイカルが飛び起きる。
「へ、へぇー……そうなんだ……」
昨夜、足音を潜めて靴下にプレゼントを入れたのはどうやら成功したらしい。
「あれ……これって……」
「サンタももしかしたら創主なのかもね」
産声を上げたのはトナカイのアーマーハウルだ。
どうどう、とレイカルは飛び乗って、手綱を握る。
「すごいですっ! 創主様! やっぱりサンタは居るんですね! 創主様とそっくりなアーマーハウルの造りだなんて!」
レイカルが声を上げてトナカイを操る。
トナカイ型アーマーハウルは、今年の終わりを締め括るに相応しいいななき声で駆け出していた。
「……そうして、今年もありがとう。メリークリスマス、レイカル」
その様子を眺めて、作木は微笑むのであった。