JINKI 217 紙飛行機に想い、添えて

「オヤジ? オヤジはこんなもん、教えちゃくれなかったな。独学……じゃねぇな。ガキの頃に誰かに教わったはずなんだが……誰だったか……?」

 首を傾げる両兵に、ルイは自分で折ってみせた紙飛行機をすっと構え、それを直上へと飛翔させる。

「……うまいもんだ。これならよく飛ぶだろうな」

「……でも、引き分けなんじゃ……意味ないじゃない」

「何か言ったか?」

「何でも……。これ、一番の折り方なのよね?」

「おう、これが一番よく飛ぶはずだぜ」

「……だったら……私が一番じゃなくっちゃ、いけないじゃない」

 ルイは紙飛行機を拾い上げて、自室へと戻っていく。

「……何だ? 不機嫌な奴だな……」

 訝しむ両兵を尻目に、ルイは手の中の紙飛行機へと、そっと呟いていた。

「……一番じゃなくっちゃ、もらった折り方を誇れないじゃないの。……ばか」

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