JINKI 256 ふたりのカンケイ

「いや、あのさ……。赤緒の大事にしていたマグカップ割っちゃった……。安物だから買ってくればいいじゃんって言ったら怒らせちゃって……」

 真っ二つに割れたマグカップを手に、エルニィはあははと乾いた笑いを漏らす。

「……呆れた。あんたたち、しょっちゅうそんなんじゃ、私たちの身が持たないわよ」

「……で、赤緒さんは家出、ですか……」

 事態を飲み込んでさつきは額に手をやる。

 エルニィはそんな自分たちへと愛想笑いを寄越していた。

「いやー……参っちゃうよねぇ……。――でさ、仲直りするのに知恵、貸してくんない?」

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