【3】「イレギュラー∽イレギュラー」 「……おい、ジジィ。ありゃどういう了見だ?」 ヤオへと問いかけた両兵に相手は駒を打ちつつ応じる。 「さての。恐らくは道楽じゃろ」 「道楽で八将陣が増えられりゃ困るんだよ。それに、そ […]
カテゴリーアーカイブ:JINKINobel/著 シチミ大使
JINKI 150 黒と黒 第二話 こんな出会いの形
【2】「こんな出会いの形」 「……ジュリか。ゾールの生体認証に必要なのは八将陣のものだ。君でも簡単に扱えるし、何なら配備に加えてやっても――」 「寝言は、寝て言いなさい、坊ちゃん。……私が今回の一件、把握していないとでも […]
JINKI 150 黒と黒 第一話 黒の娘たち
【1】「黒の娘たち」 「やぁ、シバか。このラボに来るのは珍しい。何の要求だい? 君に与えてあげられる人機は存分に与えているはずだが? それとも、マージャの件で冷やかしでも?」 全くうろたえないセシルの首筋へと、すっと冷 […]
JINKI 149 ヘブンズ誕生 後半
――安全会議を開こうと、その夜に言い出したのは山野のほうであった。 珍しいこともあるものだ、と議席に座る。 このカナイマアンヘルの責任者たちが揃って渋面を突き合わせるのは珍しい。
JINKI 148 ヘブンズ誕生 前編
テーブルダストの一地点は濃霧に覆われていて、一歩踏み出すだけでも勇気が要る。 それなのに、自分が命知らずに思われたのだろう。後から追従する《ナナツーウェイ》が戸惑ったのを感じ取る。 『おっ……小河原さん! あまり前に […]
JINKI 147 ルイとさつきの交換日記
ビル街を鋼鉄の疾駆が駆ける。 空中へと抜けた形の《バーゴイル》へと、《ナナツーマイルド》がその双剣――メッサーシュレイヴを翳して追い立てていた。 「残り一機! やるわよ、さつき」 『はい! ルイさん!』
JINKI 146 ガール・オブ・リビジョン2
「あっ……なずな先生……」 思わず足を止めたさつきになずなは軽快にステップを踏んで向き直る。 「あれぇ? さつきさんじゃないですかぁ。どうしたんですぅ?」 「……私の前でそんな口調で誤魔化そうとしても無駄ですよ。まだ学 […]
JINKI 145 最果ての戦場を征く
『……世君。勝世君、起きていますね?』 友次の言葉を聞きつつ、勝世は愛機たる《トウジャCX》のインジケーターを確かめさせる。 後続につくフライトユニットを背負った《ナナツーウェイ》とは隊列を組んで先行する形だ。 「聞 […]
JINKI 144 逃避行の中で
「――さて、どうしたもんか……」 両兵は憮然と求人票を見やる。どれもこれも、無理難題の仕事ばかりで、ふぅむと呻っていた。 「今の今まで人機に関わること以外はほとんどしてねぇってのはデカいな……。とは言え、青葉はあの症状 […]
JINKI 143 こんな邂逅も
「あのぅ、小河原さん……? もうやめません? 何回やっても、無駄ですよ……。それに、お金だって……」 「黙ってろ、柊。まだだ、まだ。まだオレはやれる」 そう自身を鼓舞する両兵の背中を見やりながら、赤緒は対面で湧いた群衆 […]