ウィンヴルガ 10 Pathetic Song3

「まだまだ拙いが、一国の姫君が奉仕するという絵面が堪らんな……おい、もっとチンポに唾を垂らせ。ベタベタにするつもりでやるんだ。手を抜くなよ」

 こんなこと知識などないので、男の指示に従うしかない。

 ずっと舌を出して舐め上げているせいで、舌が疲れて痺れてくる。これまでにしたこともない舌の動きばかりで付け根の方も痛くなってくる。

「ずちゅっ、ずるるっ……んっ、ふっ……ちゅぷっ……ちゅっ……」

 下顎に溜まった唾液を舌で掬ってペニスに塗す。それを舌で伸ばしつつペニス全体に広げていく。いつの間にかペニス全体が私の唾液でキラキラと光っていた。

「よしよし、だいぶ滑りも良くなってきたな。今度は咥えてみるんだ」

 咥える……?

 舐めるだけでも最低最悪のものを口の中に入れるなど正気の沙汰では無い。おしっこが出るであろう小さな穴からは透明の粘っこい雫が垂れている。ペニスを口に入れると言うことは必然的にそれも……口に……。

「ほら、どうした? 口を開けろ」

 尻ごみして閉じた唇に唾液で濡れた肉棒が擦り付けられる。透明の汁が唇に塗り付けられて思わず悲鳴を上げてしまいそうになった。

 さらに、背後からは脅すようにバチバチとスタンガンの音がして、羊追いみたいに急き立てて来る。

 拒否権などあるはずも無い――

 私はゆっくりと口を開けると棒寿司を食べる要領で、ペニスを口内へと招き入れた。

「んぐっ!? んんっ、じゅるっ……んぐぐっ、ふっ、ふっ……んんぐぅっ……お、えぇっ……」

 太くて生暖かくて硬い肉の塊が口内を満たす。〝男性器を口に入れている〟という事実が余計に嘔吐感を掻き立てる。

(こんな……汚いものを口に……)

 口中に広がる悪味に軽くえずきながらも必死にペニスを受け入れる。

 あぁ……これが負けるってことなんだ。改めて実感させられる。

「歯を立てるんじゃないぞ」

 命令通り、歯が当たらないように必死で口を開いてペニスを受け入れ、カリの部分が唇に触れたところで様子を窺うように男の方を見た。

「早く終わらせたいか?」

 すると突然、男がそんなことを聞いて来た。

 答えなど決まり切っている。私はペニスを咥えたままコクコクと頷く。

「そうかそうか」

「ひひひ……」

 なぜ私を取り囲む全員が私の返答に対してゾッとする笑みを浮かべているのか――その答えを僅か数秒後に知ることになる。

「それじゃあ遠慮なく……!」

 男が私の頭を両手で掴んだかと思うと、腰を前に突き出しペニスをさらに深く捻じ込んだ。

「んぐうぅぅう――ッッ!!?? んぐっ、んぐぅうぅっっ!? くる、ひっ……なにひてっ……!?」

 一気に滑り込んできたペニスに喉奥を突かれて呼吸が止まる。

 目を白黒させながらすがるように男を見上げた。

「ふふふっ、お望み通り、早く終わらせてやろう」

 男が腰を激しく前後に動かし始めた。

 ペニスが口から引きずり出されたかと思った次の瞬間、再び挿入されて喉奥が叩かれる。

「んぐぅっ!? んぶっ!! んぶぅっ!! んんっ!! ぐる、しっ……」

 滲んだ涙が次々と頬を伝って落ちていく。

 呼吸ができない苦痛と恐怖がどんどん増していく。そんなことはお構いなしに、男は激しく腰を打ち付けてくる。

「んぶぅっ!! お、ごぇぇっ!! ぶふっ、んぐぅぅっ!! おえぇぇっ! や、やめっ……! んぐぅぅっっ!!」

 さっきまで舌を這わせていたカリのエラ張った部分が、喉奥の粘膜をゴリゴリと削るように出入りしてとても痛い。

 ガチャガチャという耳障りな音は、手錠で拘束された手を無意識に暴れさせているものだった。

「おおぉ……! まだ幼いから体温も高いようだ……やはり若い女の口マンコは最高だ」

 好き勝手に腰を振り、私の口内を犯しまくる。舌や内頬、喉の粘膜がペニスによって蹂躙される。時折、あまりに深く突かれるせいで嘔吐反射が起こってしまう。

 ふと脳裏にときこの映像が浮かぶ。彼女も同じように喉の奥を犯されて悶え苦しんでいた。だけど彼女の場合、〝下〟も乱暴に犯されていたから、まだ私の方がマシなのかも知れない……。そう思っていないと、この拷問みたいな行為に耐えられそうに無かった。

「んぶぅぅっ!! んぶっ、んぶぅぅっ!! んんっ! ん、ぶえぇぇっ……!! げほっ!! げほ、げほっ!! げほっ、うっ……ごほぉぉっ!!」

 とうとう窒息に耐え切れず、頭を目一杯引いてペニスを口から吐き出した。

 激しく噎せ返りながら、必死に空気を肺に取り入れる。

「はぁっ、はぁっ……! もう、無理……やめ、て……こんなの、死んじゃう」

 意味ないと分かっているけど、言わずにはいられない。

 許しを請わずにいられない。

「こらこら、吐き出したらダメじゃないか。さぁ、もう一度だ」

 眼前に一際太さを増した肉棒が突き付けられる。

 喉を保護するために分泌されたのであろう粘ついた唾液が纏わり付いて醜悪さを際立たせており、こんな恐ろしいものを再び口になんてできるはずがない。

「やだ……お願……んんんっ!?」

 だけど、懇願の言葉は男が鼻を摘まんだせいで中断された。

「後ろからも押さえておけ」

「へへっ、了解」

 背後の男が私の頭をがっちりと固定する。これでもうどれだけ苦しくても後ろにそらすことは不可能だ。鼻を摘ままれ呼吸を奪われた私は、為す術なく口を開けるしかない。

「んぐぅぅぅぅっっ!? むぐぅぅっ!! んんんんん――――ッッ!!!」

 すかさずペニスが突き立てられ、ピストン運動が再開される。

「んぐぅぅぅっっ!? むごぇぇぇっ! お゛っ、えぇえぇっ!! ん゛ん゛っ、んぐぐっ、んぶぅ゛ぅ゛っっ!!!」

 ここからが本当の地獄だった……。

 男が腰を振るのに合わせて、無理やり頭も前後に揺さぶられる。そのせいで喉の奥の奥までペニスが入り込んで来て気道を塞ぐ。顔全体が熱を帯び、息ができなくて、目の奥と頭がズキズキ痛い。苦しい、苦しい、苦しい……。

 鼻先をくすぐる男の陰毛。それは私がペニスを根元まで飲み込んでいることの証明だった。

 涙や鼻水や唾液で顔がぐちゃぐちゃになっているけど、あまりの苦痛でそんなことを気にしている余裕すらない。

 少しでも気道を確保しようと、喉の方へと流れ込んでくる唾を何度も飲み込んだ。

「おぉ……! 喉が締まるぞ。さすが姫様だ、飲み込みが早いな。偉いぞ」

 男が快感に震えながら嬉しくも無い褒め言葉を投げてくる。

「くっ、ううぅ……いいぞ。出してやるっ!! くっ、おおおぉぉっ!」

「ん゛ぇあっ!!」

 〝出す〟という言葉を聞いた瞬間、脳裏に白い液体を浴びせられるときこの映像が蘇った。

(嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…………!!!!!)

 しかし、押さえられた身体は動かすことはおろか、首さえも捩じれない。既に結末は決まっていた。

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