JINKI 255-10 悪の同胞たちよ


「久しぶりですね、シバ」
「お前が生きていたとはな、マージャ。いや、今やその魂の形を穢され、完全に走狗と化したか。Jハーン、と呼んだほうが馴染みはいいか?」
「我が魂の形は、かつてより同じ。ドクターオーバーの御心のままに」
 恭しく頭を垂れ、ドクターオーバーが歩み出る。
「キョムとの交渉窓口にしては、随分とまどろっこしい真似をする。八将陣一人で我が陣営、抑えられると思ったか」
「まどろっこしい? そう感じるのだとすれば、お前たちはまだまだだろうな。私一人で全軍を壊滅させられてからでも吼えられるか?」
「存じている。“エクステンド”の力、侮っているわけではないとも。だが、それにしても、だ。何故、自ら顔を見せない。それとも、オリジナルを前に恐れ戦いたか? そちら側に居るわたしは」
「……グリムの眷属。最初期にシャンデリアに逃れた者たちの血脈と聞く」
「そうだ。我らこそがこの地表を統治するべくしてここまで生き延びた、新たなる血筋……! 穢れに満ちた俗世は“光雪”で洗い流される。黙示録の景色を再現するまでもなく、全ては一度消え去り、ゼロとなるだろう」
「……一つ、聞く。ロストライフを棄却した理由だ」
「ほう、それを尋ねるか。なに、難しいことではない。ロストライフは所詮、黒の男の思念の塊たる黒い波動を依代とする。それでは我々の意図する統治は見出せないのだと、判別したまでだ。人間の強い思念は邪魔だからな」
 シバはその宣告を聞いて、それから冷徹に告げていた。
「……なるほどな。やはり、か。――つまらないものだ、貴様らも」
「……つまらない、だと?」
「ああ、そう言っている。要はまだ怖いのだろう。黒将と言う名の、全てを黒に染めようとした男の怨念が。それが畏怖の対象だから、どうしようもないから、白の地獄で染めようとする、か。どれもこれも、虚飾めいているぞ、ドクターオーバー。これではセシルが降り立つまでもないと判断したのは正答のようだな。彼の者よりも傲岸不遜な考え方であるのならば、力を貸すのもやぶさかではなかったが。……ただの恐怖心で足の竦んだ者を相手に、なるほど。私以上の八将陣を迎えさせる意味はない」
「口を慎め! 八将陣、シバ! 我が主に、醜悪さを説くか……!」
 拳銃を突きつけたJハーンに、シバは醒めきった面持ちを向ける。
「お前もつまらなく成り下がったものだよ、Jハーン。復讐心で敵を屠っていた頃のほうがまだマシだ。まだ、“見れるものだった”。今のお前ほど、愚かしい傀儡を見るのならば、己の手でせめて葬ってやるべきだったな。それが八将陣として相応しい、手向けであった」
「蒙昧を……! 来い――ッ! ハマド! カリス!」
 自身の声に呼応して《バーゴイルシザー》と《K・マ》が召喚される。
 人機の推進剤が至近距離で焚かれ、シバの黒コートが強風にはためいていた。
「これでもまだ吼えるか! 我々が弱腰だとでも!」
 そうでなくとも、命を啄む“光雪”の降りしきる東京タワーの直下だ。シバはここに存在するだけで消耗していくはず。
 そう考えたJハーンは、直後のシバの妖艶な笑みに、勝利の確証を砕かれていた。
「……何故……嗤っている……?」
「ああ、そうか。私は嗤っているか、Jハーン。それは――貴様らがあまりにも、間抜けだったからだろうな」
 瞬間、シバの疾駆が掻き消える。
 直後には黒コートを翻し、ドクターオーバーの眼前に立ち現れていた。
 銀の刃が閃き、その太刀筋は正確無比にドクターオーバーの肩口を叩き斬る。
「我が主を……! 貴様……ッ!」
 悲鳴を漏らして後ずさった形のドクターオーバーへと、Jハーンは即座に銃撃で庇おうとしたがシバはうろたえた様子もない。
 それどころか、ドクターオーバーの躯体を蹴り上げ、こちらの銃弾の的にする。
「な……っ!」
「これで、ハッキリしたな。ドクターオーバー、こいつは、本体ではないな? 読めていたことだ、人形師なのだとすれば、自身を置くような迂闊な真似はすまい。そして、私一人で来た理由も同じく、そこに集約される。ここは交渉の場ではない。――血の海だ。来い!」
 シャンデリアの光が降り立ち、巨躯を傾がせる。
「……《キリビト・コア》……!」
「キリビトの雷撃に打たれて死ぬがいい。Jハーン、それにグリムの眷属共よ!」
《キリビト・コア》が高出力リバウンド兵装を開こうとした、その時であった。
『……シバ、どうにも、一手遅れたようだね』
 響き渡ったのはシャンデリアから直通する絶対者の声だ。
「……セシル? 何故、止める」
『彼らの目論みでさえも利用する。それが僕と同じく、超越者の名を持つ者の特権だろうさ』
 その言葉にシバは全てを理解したように夜空を仰ぐ。
「まさか……今の、キリビト召喚を利用しての、シャンデリアへと……?」
「その通り。どうやら一手仕損じたのはそちらのご様子」
 Jハーンは予め聞かされていたとは言え、それでも肝が冷えたのは事実だ。
 銃口を向けると、シバは屈辱的に眉をひそめる。
「……私を、裏切ったと言うのか……! セシル!」
『裏切っちゃいない。君の手腕を信じての采配だ。それに、僕がそちら側についていれば、この期を逃すわけがない』
 照準がシバの大腿部を狙い澄ます。
 無論、八将陣のリーダーがそう容易く膝を折るはずがない。
 刀で持ち直し、こちらの追い打ちを弾き返していた。
「……分が悪いとはこのことか」
「諦めは、潔いほうがいいですよ、シバ。このまま我々に捕獲され、道具として弄ばれるか、それとも戦士として最後まで戦い抜くか」
「……どちらも……願い下げ、だな……!」
《キリビト・コア》が雷霆を帯び、全方位へと紫色の放射光を浴びせていた。
 その一瞬だけ、《シュナイガートルーパー》は眩惑され、縛り付けられたように動きを止める。
 直後、ビルを突き崩しシバを確保したのは漆黒の機体であった。
「……《ブラックロンドR》……なるほど、保険はかけていたと言うことですか」
 何度か銃撃して牽制しつつ、Jハーンは飛び退る。
 先ほどまで自分の居た空間を《ブラックロンドR》の巨大な大太刀が貫いていた。
 しかし、ここまでは想定通り。
《ダークシュナイガー》へと乗り込んだJハーンは《ブラックロンドR》と相対していた。
「キリビトを従えながら、黒き機体まで操る所業……さすがは八将陣の長を名乗るだけはある。まさに女王の気質だ」
『黙れ。お喋りは長生きできんぞ、Jハーン』
「これはこれは。あなたに生き方を説かれるとは。八将陣で人形をやっていた頃にはついぞ実現しなかった世迷言だ」
《キリビト・コア》は空中に展開する《シュナイガートルーパー》への牽制用だろう。
 如何に優れた血続とは言え、シバであろうとも二機の人機の同時操縦は不可能のはず。
《ブラックロンドR》が大地を蹴り上げ、一瞬のうちに射程距離へと潜り込む。
 スプリガンハンズでそれを弾き返し、Jハーンは哄笑を上げていた。
「よいのですか! 既に拠点に潜り込まれている! 最早、キョムは敗北したも同然!」
『……上のことはセシル自身が何とかするだろうさ。今は――私の誇りのために死ね! Jハーン!』
「あなたの誇り、か。なるほど、それは気高いでしょうね」
 格闘武装で剣戟を交わし合い、《ダークシュナイガー》で一気に直上を取る。
 必殺の位置取りを決めたJハーンは口角に喜悦を滲ませていた。
「空は私の領域だ! アルベリッヒレイン!」
 銃弾の雨嵐が地上の《ブラックロンドR》を襲う。
 空戦人機に対して、陸戦人機では拮抗すること叶わぬ――そうなのだと断定していたJハーンはシバの交戦に目を見開いていた。
 機体の四肢を開き、受け止めるかのように身を軋ませる。
「勝負を捨てたか! 八将陣、シバ!」
『――いや、ここでその距離程度しか取っていない、貴様こそが敗者だ、Jハーン』
 アルベリッヒレインの火力は容易く人機の特殊装甲を溶断するはずであった。
 ――そこに、人機の姿があるのならば。
「……消えた……?」
 一瞬である。
 またたきの間に、《ブラックロンドR》は掻き消えていた。
 だが、ヒトがそうするように人機が消えた、などと言う冗談はない。
 対象を捉え損ねた弾幕が陸地を抉っていく。
 焦土と化したビルの壁面を認識した、その次の瞬間。
《ダークシュナイガー》の索敵は空中に位置する《ブラックロンドR》を捉えていた。
 白い月夜を背負い、漆黒の機体が跳ね上がった――否、それはそのような生易しい景色ではない。
「……瞬間移動……? これは、まさかファントムか!」
『ただのファントムではない。陸戦人機でも空戦人機と同じく、超加速度に一瞬にして至れる術がある。通称、空中ファントム。だが、貴様にはこれを晒したことは、そう言えばなかったな』
 陸戦機でしかない《ブラックロンドR》が躍動し、太刀を大上段に振るい上げる。
 必殺の射程を関知したJハーンは咄嗟にスプリガンハンズを翳していたが、それは下策だと思い知る。
 直後に、再加速した《ブラックロンドR》の膂力は、《ダークシュナイガー》の堅牢なフレームでもまるで押し殺せなかったからだ。
 両腕が軋み、スプリガンハンズが砕け散る。
「……スプリガンハンズを折っただと……!」
『打ち合いで、一日の長があるのは、何も貴様だけではない』
 もつれ合いとなり、空中で《ブラックロンドR》は袖口より暗器を取り出していた。
 背面より突き刺す一撃が血塊炉を狙い澄ますも、《ダークシュナイガー》の推進剤を全開に設定し、無理やり引き剥がす。
『どうした? 息が荒れているぞ』
 実際、Jハーンは追い込まれていた。
 確実に獲ったと思われた相手からの、想定外の逆襲。
 その上、空戦人機の優位性をまるで物ともしない、シバ本人の特殊性。
 ――戦闘の天才。
 その言葉が嫌でも頭に浮かぶ。
 シバは鉄火場においては、恐らく最も力を発揮する八将陣であるのだろう。
《シュナイガートルーパー》は《キリビト・コア》の広域攻撃に怯えてなかなか動かせない。
 それ以前に、ライフエラーズ計画には十三機のシュナイガータイプが必須なのだ。
 ここで一機でも墜とされてしまえば、計画は水泡に帰す。
「……やはり、動いてもらうしかありませんね。八将陣のお二人には」
《バーゴイルシザー》と《K・マ》が《ブラックロンドR》の退路を塞ぐように展開する。
『及び腰だな、Jハーン。その程度の器、たかが知れる、と言うものだ』
「どうとでも。私は主がその使命を終えるまで、時間を稼がなければいけないのですからね。それよりも、撃てますか? 如何にあなたが強かろうとも、八将陣の同朋を」
《バーゴイルシザー》が急接近し、その近接兵装を振るい上げる。
《ブラックロンドR》は掻い潜ったが、直後には《K・マ》の至近距離のリバウンドフォールが爆ぜていた。
 吹き飛ばされた《ブラックロンドR》は隙だらけである。
 銃口を据え直し、Jハーンは落ち着きを取り戻そうとしていた。
 三機の人機に包囲されて、そう容易く勝利できるわけがない。
 その上、操っているとは言え、二機は八将陣の実力者。
 シバとは言え、手を焼くはずだ。
《バーゴイルシザー》の鎌を弾き返した《ブラックロンドR》の背面へと、ミサイルの一斉掃射を見舞った《K・マ》にシバは舌打ち混じりに両刃の剣を分離させ、片方を投擲する。
 ミサイルの照準を逸らし、その一瞬で《K・マ》のほうに飛び込もうとしたのは恐らく正しい選択肢なのだろう。
《バーゴイルシザー》は空戦人機である《バーゴイル》を近接仕様に改修しただけの機体だが、リバウンドフォールを持つ《K・マ》は別だ。
 思わぬ連携で足並みを崩されかねないと判定したシバの瞬発力ならば、《K・マ》に切り込み、その盾を砕くはず。
「……そして、それは目論み通りだ」
 Jハーンは弾薬を装填していた。
《K・マ》へと斬りかかった《ブラックロンドR》の眼前へと、一発の銃弾を撃ち込む。
 もちろん、回避はするだろう。
 それさえも織り込み済み。
 爆ぜたのは《ブラックロンドR》を硬直させる、青いペイント弾であった。
『……こけおどしか』
「どうでしょうかね。すぐに分かりますよ」
 直後、膝を折った《ブラックロンドR》のシステムが次々にダウンしたのが窺えた。
『……何をした。《ブラックロンドR》のシステムに介入……だと』
「我々、グリムの眷属はあなた方、キョムに勝つための方策なら、どれだけでも想定しますとも。血塊炉のオーバーヒート状態。ブルブラッドを内包した銃弾で、熱した装甲越しに人機の躯体を金縛りにする」
 現に、この勝負の土壇場にならなければ使用しなかった弾頭だ。
 機体が熱を帯びれば必然的に、永久電池である血塊炉も活性化する。
 その活性化現象を逆手に取り、冷却ブルブラッドを浴びせることで一時的とは言え、システムをダウンさせる。
「これはいい発明なのですよ。どのような人機であろうとも、有効な策となる」
『……腰が引けたな、Jハーン。小手先の武器に頼るようになれば終わりだ』
「おや? その割には……一歩も動けないのはそちらのご様子」
 硬直したシバの《ブラックロンドR》へと《バーゴイルシザー》が切り込む。
 斬撃が片腕を落とし、《K・マ》のリバウンドフォールが追撃していた。
 衝撃波でよろめいたシバの機体に、《バーゴイルシザー》が刃を叩き込んでいく。
「やれやれ。凶暴性を少しはマシにしたはずなのですが……まぁ、本来の性分と言う奴なのでしょうね。如何です? 八将陣、シバ。自分が顎で使ってきた連中に嬲られるのは」
『……趣味が悪いな』
「それはどうも。言われ慣れていますので」
《ブラックロンドR》の躯体がビルへと追い込まれ、その首筋に《バーゴイルシザー》の鎌がかかる。
 最早、王手に等しい。
「条件を呑めば、殺さずにおいてあげましょう」
『……条件だと? 貴様らに降れとでも言うのか?』
「半分は正解ですよ。《キリビト・コア》の所有権を我々に譲っていただきたい」
「……操主は要らぬ、と言うわけか。分かりやすいことだ」
「難しい問答ではないでしょう? キリビトを譲れば、あなたは生きて帰れる。それだけのシンプルな答えだ」
《ブラックロンドR》は四肢をもがれ、既に戦闘継続は不可能に映る。
 この状態から反抗するとも思えないが、最後の気概まで折らなければキョムと言うのはどこまでも執念深い。それは自分がよく知っている。
『……自身の死か、キョムとしての敗退か、選べとでも?』
「生き永らえれば分からないでもないでしょう。どうです? これは交渉ですよ。《キリビト・コア》を我々に引き渡し、あなたは自らの生存権を得る」
『交渉、か。なるほどな』
《ブラックロンドR》のコックピットより、シバは這い出ていた。
 その手に携えたアルファーの命令で、《キリビト・コア》の所有権は譲渡できるはず。
 彼女がアルファーを空へと掲げる。
 途端――巻き起こったのは灼熱の雷撃であった。
《キリビト・コア》は自らを中心軸として熱を放射し、血塊炉のバランサーを崩そうとしている。
「……何を……何をしている……?」
『見て分からないのか? 《キリビト・コア》をメルトダウンさせ、ここいら一帯の貴様らの陣形を破壊する』
 迷うことなく放たれた冷徹な声に、Jハーンは当惑していた。
「馬鹿な……! そんなことをすれば、あなただって無事では済まない!」
『おや? それくらい承知の上だと思っていたがな。それとも、見込み違いだったか? Jハーン。私が自身の命の価値に頓着するとでも、侮っていたか?』
 事実、自分は見くびっていた。
 シバと言う黒の女の持つ魔性を。
 さすがに八将陣を束ねる長が自滅の道など辿るはずがないと。
 しかし、彼女は無様な死を重ねるくらいならば、高潔な死を、破滅を、誰よりも容易く選択する。
 その途上に迷いなど、一ミリも浮かべずに。
「……あなた自身の手で、キリビトを捨てると言うのか……」
『私の人機ならば、それくらいは考慮の内のはずだ』
《キリビト・コア》が臨界点に近い雷光を帯び、そのまま炸裂しようとする。
《シュナイガートルーパー》だけではない、操っている《K・マ》と《バーゴイルシザー》でさえも巻き込んでの、自爆攻撃。
「……我らグリムの眷属に勝利は与えんと言うのか……! だが、既に! 超越者、ドクターオーバーはシャンデリアだぞ!」
『そうだとしても、自身の終着点は自分でしか決められない。それくらいの自由は与えられている』
「愚かな!」
 ハンドガンの照準を向ける。
 シバを撃ち抜くことは難しくはないが、問題なのはその後だ。
 制御を失った《キリビト・コア》がメルトダウンし、東京都心に墜落すれば、“光雪”によるライフエラーズ計画は頓挫する。
 それは最終的な勝利者を譲る、という結果に陥りかねない。
 僅かに惑ったこちらの引き金にシバはアルファーを天高く掲げていた。
『さぁ、墜ち行け! キリビトの裁きを受けるがいい!』
 この局面で選び取るべきは二つ。
《キリビト・コア》を破壊し、ライフエラーズ計画を続行させる、あるいは――。
「……あるいは、ライフエラーズ計画を諦め、日本からの脱却……。しかし、キリビトほどの血塊炉が溶解すれば、東京都心は人間が住めなくなるぞ……」
『元より、覚悟の上だ。決めろ、Jハーン』
 ここでの決断、それはグリムの眷属全体の士気にかかわる。
 如何にすべきか、と逡巡の一拍を挟んだJハーンは、急速接近する熱源を関知していた。
「熱源……? 複数の……だと!」
 光の雪が降りしきる東京都心に月明かりを帯びて現れたのは、白き鬼の威容。
 オートタービンを起動させ、その凶暴ないななき声を上げさせる。
「……《O・ジャオーガ》だと……」
『……まさか、バルクス、か……?』
『これよりレジスタンス部隊、攻勢に入る。《バーゴイル》は《シュナイガートルーパー》の注意を引き付けろ』
 厳めしい声が放たれ、青い翼の鹵獲《バーゴイル》が戦場に割って入る。
『了解!』
「……女の声……? 随分と……生易しくなったではないですか、私の知るバルクス・ウォーゲイルは!」
『貴様の知るバルクスなる男はもう死んだ。残ったのは、恩讐に塗れしこの世を闊歩する死者の名だ』

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