JINKI 255-9 もう一度、空へ

【9】「もう一度、空へ」

 誰かに言葉を告げて、それで満足した気になるなんてらしくはなかったはずだ。
 それでも、今も死の雪が降りしきる都市部を眺め、メルJは腫れた眼に染み入ってくる甲板の潮風を感じていた。

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