JINKI 201 帰る場所があるということ

「暑い……視界も悪いし……」

 赤緒は四方を囲われた劣悪な視野の中で、顔を扇ごうとして被り物に塞がれていた。

 そうだ、今自分たちは動物の着ぐるみを纏って、スーパーで必死に客引きをしているのである。

 エルニィやルイがめいめいに風船を子供たちに差し出している中で、赤緒は慣れない着ぐるみの挙動でよろめいていた。

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