JINKI 219 いつかの自分に向けて

「採寸のために私に連れて行けって言うもんだから……」  南は呆れ返って続くエルニィへと一瞥を向けていた。 「だってしょーがないじゃん。制服じゃ、勝負になんないし。それに、ここ一番で制服ってのもなんか違うでしょ」

JINKI 218 トーキョーアンヘルへようこそ

「あれ? 南さん。格納庫に用事ですか?」  《モリビト2号》から降りてタラップを下る途中、こっちに居ることは珍しい南を目に留めて青葉は尋ねる。 「ああ、ちょっとね。ねぇー! もっと木材とかないのー?」

JINKI 217 紙飛行機に想い、添えて

「……えっと、夕飯の準備に移ってから、それから宿題もしないと……」  学校から帰るなり柊神社の面々の献立も考えなければいけないので、赤緒は忙しなく廊下を行きかっていると、ふと足元で踏みつけた紙の感触に視線を落とす。 「う […]

JINKI 213 アンヘルのチャット同盟

「えーっと、電話回線をこっちで繋いでーっと。柊神社の電話回線ってどうだっけ?」 「こっちよ、自称天才。確か赤緒がここに繋いでいたわ」  エルニィが電線をガイドしたところで、台所から菓子盆を持ってきたさつきが顔を合わせる。

JINKI 212 二人の相性の距離

「おめでとー! 二人の相性はバッチリ!」  神事を終えて柊神社に帰るなり、境内でエルニィの声が弾けて赤緒は顔を出していた。  そこには大仰なハートマークを付けた筐体が設置されており、初々しい男女二人組がお互いを見つめ合っ […]