【7】「闘争の朝へ」 ――涼しい風が吹き抜ける。 さつきは柊神社を抜ける風が、戦闘の予感をはらんでいるのを実感する。 無理もない、決戦前夜。
投稿者アーカイブ:綱島志朗公式サイト管理人
JINKI 150 「黒と黒」 第六話 撃つべき相手を
【6】「撃つべき相手を」 ――コンコン、とノックすると友次がバツの悪そうな顔をして出てきた。 「……何、逃がしたの?」 「い、いえ……とても大人しくしているのですが……大人し過ぎるのもそのー……」 「すごい! これ、こ […]
JINKI 150「黒と黒」 第五話 力と罰
【5】「力と罰」 「――これは、思ったよりもまずいかもですねぇ」 シャンデリアに潜入していたなずなは、起動した《ブラックロンドR》に対して警戒心を募らせていた。 「さつきさんの……アンヘルの側に居るもう一人のシバと、こ […]
JINKI 150「黒と黒」 第四話 たった一つの間違い
【4】「たった一つの間違い」 『――……何だったんだろ、あいつら。結局目的は……やっぱり八将陣の……』 言葉を濁したエルニィに赤緒はぎゅっと拳を強く握り締めていた。 「……ジュリ先生。私の、信じるものって……一体何なん […]
JINKI 150「黒と黒」第三話イレギュラー∞イレギュラー
【3】「イレギュラー∽イレギュラー」 「……おい、ジジィ。ありゃどういう了見だ?」 ヤオへと問いかけた両兵に相手は駒を打ちつつ応じる。 「さての。恐らくは道楽じゃろ」 「道楽で八将陣が増えられりゃ困るんだよ。それに、そ […]
JINKI 150 黒と黒 第二話 こんな出会いの形
【2】「こんな出会いの形」 「……ジュリか。ゾールの生体認証に必要なのは八将陣のものだ。君でも簡単に扱えるし、何なら配備に加えてやっても――」 「寝言は、寝て言いなさい、坊ちゃん。……私が今回の一件、把握していないとでも […]
JINKI 150 黒と黒 第一話 黒の娘たち
【1】「黒の娘たち」 「やぁ、シバか。このラボに来るのは珍しい。何の要求だい? 君に与えてあげられる人機は存分に与えているはずだが? それとも、マージャの件で冷やかしでも?」 全くうろたえないセシルの首筋へと、すっと冷 […]
JINKI 149 ヘブンズ誕生 後半
――安全会議を開こうと、その夜に言い出したのは山野のほうであった。 珍しいこともあるものだ、と議席に座る。 このカナイマアンヘルの責任者たちが揃って渋面を突き合わせるのは珍しい。
JINKI 148 ヘブンズ誕生 前編
テーブルダストの一地点は濃霧に覆われていて、一歩踏み出すだけでも勇気が要る。 それなのに、自分が命知らずに思われたのだろう。後から追従する《ナナツーウェイ》が戸惑ったのを感じ取る。 『おっ……小河原さん! あまり前に […]
レイカル 9月 レイカルと敬老の日
「あーあ、何か嫌ねー。せっかくの夏が過ぎちゃってさ……」 雨模様の天気を眺めながら、ナナ子が観葉植物へと水をやる。 自慢のサボテンが三つ並んでおり、それへと時折言葉をかけていた。 「よぉーし、よしー。いい子でちゅねー […]