JINKI 109 虚無の空に向けて

 黒い稲光が、中天でぱっと弾けた。

 そう認識した時には、大地は荒れ果て、草木は枯れ、この世の彼方としか思えないような光景が出現する。

 自分はその日も変わらず、食糧の調達に赴いていたのであるが、集落を襲ったその漆黒の波動が埋め尽くしたその瞬間には、目を見開いていた。

 一瞬である。

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