JINKI 167 アンヘルとひな祭り

「それにしたって、格納庫を作ったはいいものの、何でもかんでもここに放り込むもんじゃないわよ、エルニィ」  ぼやく南を他所にエルニィはあれでもないこれでもない、と棚を漁っている。 「しょーがないじゃん。他に仕舞うところない […]

JINKI 165 ほろ苦くも美しい日々

 おっと、と両腕に包装された小物を抱えたシールを、青葉は目に留めて声をかける。 「シールさん? ……あれ、何なんです、それ」 「何って……ったく、浮ついたルエパアンヘルじゃ、毎年のことなんだがよー。それにしたって参るぜ」

JINKI 164 贈る言葉だけでも

 火線が舞う。  その最中を突き進むのは紫色の痩躯たる《ナナツーマイルド》。 『《バーゴイル》の編隊はこっちで引き受けるわ。自称天才、そっちの通路は任せた』 「はいはい。こちとら、慣れたものだから、ねッ!」

レイカル29 2月 レイカルと節分

「……創主様。これは妙です」  買い出しをしていた作木は、フードの中に隠れていたレイカルの言葉にハッと身構える。 「何か……オリハルコンの気配でも……」 「いえ、そうではなく……。今日はずっとそうなのですが……何なのです […]

JINKI 161 モーニングの美味しい朝には

「……エルニィ。セキュリティ項目は第三段階までクリア。こっちは最深層まで潜れたけれど、そっちはどうなってる?」 「こっちも似たようなもんだよ。……しっかし、分かんないなぁ。このセキュリティなら、ボクらに潜入してくれって言 […]

JINKI 160 想いを綴って

「あれ? さつきちゃん、それってお世話になっていたって言う旅館への?」  赤緒が声をかけたのはさつきが書き綴っている手紙の書面を見かけたからであった。 「あ、はい。できるだけ毎日欠かさずに、私はアンヘルでお世話になってい […]