「それにしたって、格納庫を作ったはいいものの、何でもかんでもここに放り込むもんじゃないわよ、エルニィ」 ぼやく南を他所にエルニィはあれでもないこれでもない、と棚を漁っている。 「しょーがないじゃん。他に仕舞うところない […]
投稿者アーカイブ:綱島志朗公式サイト管理人
JINKI 166 魂の故郷は何処へ
「……現状、トーキョーアンヘルを経って六時間ってところか。なぁ、まだ着かんのか? ヴァネット」 下操主席でぼやいた両兵にメルJは不満げに言いやる。 「何だ、もう飽きたのか、小河原」
JINKI 165 ほろ苦くも美しい日々
おっと、と両腕に包装された小物を抱えたシールを、青葉は目に留めて声をかける。 「シールさん? ……あれ、何なんです、それ」 「何って……ったく、浮ついたルエパアンヘルじゃ、毎年のことなんだがよー。それにしたって参るぜ」
JINKI 164 贈る言葉だけでも
火線が舞う。 その最中を突き進むのは紫色の痩躯たる《ナナツーマイルド》。 『《バーゴイル》の編隊はこっちで引き受けるわ。自称天才、そっちの通路は任せた』 「はいはい。こちとら、慣れたものだから、ねッ!」
JINKI 163 それはいっときでも
「ああ、ロミオ。どうしてあなたはロミオなの?」 「……どうしてと言われても……」 「あー、駄目だってば、ルイ。そこは台本通りにいかないと」
レイカル29 2月 レイカルと節分
「……創主様。これは妙です」 買い出しをしていた作木は、フードの中に隠れていたレイカルの言葉にハッと身構える。 「何か……オリハルコンの気配でも……」 「いえ、そうではなく……。今日はずっとそうなのですが……何なのです […]
レイカル28 1月 レイカルとお年玉
「創主様。おとしだま? とは何を落とすのでしょう?」 不意にそう言われたものだから、作木は硬直してしまう。 「お、お年玉……? レイカル、それって誰から……」
JINKI 162 まだ見ぬ未来のために
「あれ? 塗料切れちゃった?」 せっかくのプラモ塗装も佳境に差し掛かって来たと言うのに、これではどうしようもない。 何度かスプレー缶を振ってみるが、からからと音がするだけだ。
JINKI 161 モーニングの美味しい朝には
「……エルニィ。セキュリティ項目は第三段階までクリア。こっちは最深層まで潜れたけれど、そっちはどうなってる?」 「こっちも似たようなもんだよ。……しっかし、分かんないなぁ。このセキュリティなら、ボクらに潜入してくれって言 […]
JINKI 160 想いを綴って
「あれ? さつきちゃん、それってお世話になっていたって言う旅館への?」 赤緒が声をかけたのはさつきが書き綴っている手紙の書面を見かけたからであった。 「あ、はい。できるだけ毎日欠かさずに、私はアンヘルでお世話になってい […]