「……で、戦国時代ってのはそもそもの始まりは守護大名が……」 「あの……ジュリ先生」 おずおずと手を挙げた赤緒に、黒板を指示棒で突く赤髪の女性が振り返る。 「どうした? 赤緒」 「いえ、その……。純粋に疑問なんですけれ […]
カテゴリーアーカイブ:JINKINobel/著 シチミ大使
JINKI 14 退けない戦い
柊神社の鳥居の前でむすっとしている二人へと赤緒は目を向けていた。 片や、水色の髪をカニバサミの髪留めで結ったルイ。もう片方はトーキョーアンヘルの頭脳たるエルニィだ。 そういえば、この二人はあまり話しているのを見たこ […]
JINKI 13 二つの世界
誰かに優しくしたところで、それが報われることはない。 それを十二歳にして知れたのは幸福と呼ぶべきか、あるいはこの世の残酷な側面を垣間見た不幸か。 「彼」には名前がなかった。
JINKI 12 災厄の華
「今日よりお前たちを統率する」 そう口にした女に、カリスは胡乱そうな眼差しを向けていた。 漆黒の長髪に、黒コート。携えた手には一振りの刀。
JINKI クリスマス 聖夜を描いて
「あっ、あのっ……ルイさん。お疲れ様です」 《ナナツーマイルド》のコックピットから出てきたルイにさつきは会釈する。二機でようやく一人前の新型人機、《ナナツーライト》と《ナナツーマイルド》は姉妹機であるのを強調するように揃 […]
JINKI 11 悪の条件
空を覆うのは邪悪なる黒の翼。 無数の影が降り立ち、その手に携えた武装より一条の光線を弾き出した。寸断される街のライフラインと、逃げ惑う人々の怨嗟の声が焼きつく。 それをコックピットの中で聞き届けていたカリスはケッと […]
JINKI 10 雨がやんだら
――雨がやんだら、謝ろう。 そう思った時があった。それでも無情にも降りしきる雨は、どこか自分を突き放すようにも見えて。このような瑣末事でいちいち感情を揺り動かされる自分を馬鹿馬鹿しいのだと、叱っているようでもあった。 […]
JINKI 9 エルニィの大発明
「さぁ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい! ボクの掻き集めた最新の発明品だよ!」 赤緒は突然に境内で広げられた赤風呂敷の屋台に困惑して、反応が遅れてしまっていた。 「……あの、立花さん。これは……」 「うん? 日本のエン […]
JINKI 8 アルマジロな日々 番外編
――僕は、アルマジロの歩間次郎。 名前をつけてくれた人のところに今、向かっています。 とことこの四本足とぷくぷくに丸まることのできるこの身体はとても自由ですが、やはり人間の足には敵いません。 「取ったー!」
登場人機 データ 5-7
○五話の登場人機 バーゴイルミラージュ 高さ:22メートル 重さ:122トン 武装: プロトハンドガン×2(袖口に装備) プロトシザー×2(両肘に装備) アルベリッヒレイン補助用マシンガン(機体各所に装備) メルJが鹵獲 […]