「――家族会議をします」 赤緒の声に、エルニィと南、それにメルJとルイがそれぞれ買い物かごに詰め込んだものを卓上に出す。 「いや、ボクは止めたんだよ? でもなぁ、南が……」
カテゴリーアーカイブ:JINKINobel/著 シチミ大使
JINKI 169 エルニィの家で
「あっ、立花さん! そんなところで寝転がっていると、風邪を引きますよ」 「あー、うん。小うるさいなぁ、赤緒は。ボクのおかんじゃないんだからさ」 エルニィは寝転がりながらスナック菓子を頬張っていると、今度はさつきからの注 […]
JINKI 168 明日に続く道を信じて
「それにしたって、また京都にとんぼ返りとはねー」 新幹線の席に乗り合わせた南は、同行しているエルニィに視線を投げる。 「それって本当なんでしょうね? 京都に強い血族が居るって言うの」 「知んないよ。友次さんの情報でしょ […]
JINKI 167 アンヘルとひな祭り
「それにしたって、格納庫を作ったはいいものの、何でもかんでもここに放り込むもんじゃないわよ、エルニィ」 ぼやく南を他所にエルニィはあれでもないこれでもない、と棚を漁っている。 「しょーがないじゃん。他に仕舞うところない […]
JINKI 166 魂の故郷は何処へ
「……現状、トーキョーアンヘルを経って六時間ってところか。なぁ、まだ着かんのか? ヴァネット」 下操主席でぼやいた両兵にメルJは不満げに言いやる。 「何だ、もう飽きたのか、小河原」
JINKI 165 ほろ苦くも美しい日々
おっと、と両腕に包装された小物を抱えたシールを、青葉は目に留めて声をかける。 「シールさん? ……あれ、何なんです、それ」 「何って……ったく、浮ついたルエパアンヘルじゃ、毎年のことなんだがよー。それにしたって参るぜ」
JINKI 164 贈る言葉だけでも
火線が舞う。 その最中を突き進むのは紫色の痩躯たる《ナナツーマイルド》。 『《バーゴイル》の編隊はこっちで引き受けるわ。自称天才、そっちの通路は任せた』 「はいはい。こちとら、慣れたものだから、ねッ!」
JINKI 163 それはいっときでも
「ああ、ロミオ。どうしてあなたはロミオなの?」 「……どうしてと言われても……」 「あー、駄目だってば、ルイ。そこは台本通りにいかないと」
JINKI 162 まだ見ぬ未来のために
「あれ? 塗料切れちゃった?」 せっかくのプラモ塗装も佳境に差し掛かって来たと言うのに、これではどうしようもない。 何度かスプレー缶を振ってみるが、からからと音がするだけだ。
JINKI 161 モーニングの美味しい朝には
「……エルニィ。セキュリティ項目は第三段階までクリア。こっちは最深層まで潜れたけれど、そっちはどうなってる?」 「こっちも似たようなもんだよ。……しっかし、分かんないなぁ。このセキュリティなら、ボクらに潜入してくれって言 […]