レイカル 40 12月 レイカルとクリスマス

「……講義で作ったはいいものの、どうしようかな、これ」

 例の如くヒミコに頼み込まれ、今回は動物のフィギュアを多く造形したのだが、それらの造形物を家に持って帰る段になって、作木は困り果てていた。

JINKI 200 南米戦線 第七話 「カラカスアンヘル」

【7】「カラカスアンヘル」

「敵の照合を開始。数は四。名称は《ホワイト=ロンド》」

 こちらへと一斉にミサイルポッドを照射してきた相手に対し、挙動する前に全弾が突き刺さる。

『やったぞ! これで少しは……』

JINKI 200 南米戦線 第六話 「帰還」

【6】「帰還」

 抱えた体温は今にも消え入りそうで、両兵は声を張り上げていた。

「死ぬな! 青葉! ……クソッ! もっと早く動けよ! てめぇもナナツーだってンならな!」

 嵐の夜だ。

JINKI200 南米戦線 第三話 「脅威と抵抗と」

【3】「脅威と抵抗と」

「損傷した人機はこっちで! 負傷兵も!」

 声を飛ばす川本を視界に入れたエルニィはつい数分前に帰還した青葉と両兵の処遇を聞きそびれていた。

JINKI 200 南米戦線 第二話 「激戦の後で」

【2】「激戦の後で」

 本国からの増援は見込めそうにないことを、一人の士官が聞き留めたのをフィリプスは首肯して受け止める。

「カラカスは落ちた、か。いずれにしても、キョム一個小隊が今すぐに襲ってくるようなこともないだろう。……何が起こったのか、それは今――彼らに聞くことが相応しいのだろうな」

JINKI 200 南米戦線 第一話「氷雨の夜に」

【1】「氷雨の夜に」

『――《モリビト2号》の血塊炉臨界試験を開始します。モニターには私、黄坂南が。操主は小河原両兵と柊赤緒両名によるものとします』

 いつになく緊迫した南の声に上操主席に収まった赤緒は掌が汗ばんだのを感じたが、下操主席の両兵はいつもと変わらぬ様子で出力を調整する。

レイカル 39 11月 レイカルとパンダ

「創主様! パンダが見たいです!」

 大学の講義から帰ってくるなり、唐突にレイカルより打ち明けられて、作木は困惑する。

「えっと……今回は何の影響、かな……」

「知っていますか、創主様! パンダと言う生き物が居て、とても愛らしいそうなんです!」

JINKI 199 盆栽は誰のもの?

「よーっし、バッチこーい」

 赤緒は柊神社の境内でバットを構えるエルニィと、ピッチャーを務めるルイを交互に見やってから呆れ返った声を出していた。

「……二人とも、駄目じゃないですか。境内で野球は許しません」