JINKI 174 時が止まれば 「もう……まだなのかな、小河原さん……」 腕時計に視線を落とす。 学校帰りに買い物に寄るからと、呼び付けたのは両兵のほうだと言うのに、赤緒は待ちぼうけを食らっていた。 ページ: 1 2 3
JINKI 173 メカニックの乙女道 「お邪魔しまーす……って、誰も居ねぇでやんの」 一応はインターフォンを鳴らして窺ったものの、人の気配は皆無で、シールは肩透かしを食らった気分であった。 「境内のほうには……格納庫か。いいのかねぇ、こんなに無防備で。とは言ったって、オレらだって押し入り強盗じゃないんだから、まぁいっか」 ページ: 1 2 3
レイカル31 4月 レイカルとお花見 『明日は広い地域で雨になるでしょう。夜には冷え込みますので、春先の防寒はしっかりと!』 「げっ……ちょっと、小夜ー。生憎の雨ですって。いやねぇ、せっかく花見に作木君を誘ったって言うのに、これじゃあお流れかもって……小夜?」 ページ: 1 2 3
JINKI 170 親と子と 「――家族会議をします」 赤緒の声に、エルニィと南、それにメルJとルイがそれぞれ買い物かごに詰め込んだものを卓上に出す。 「いや、ボクは止めたんだよ? でもなぁ、南が……」 ページ: 1 2 3
レイカル 30 3月 レイカルと花粉症 盛大にくしゃみをしてしまって、作木は鼻をすすり上げる。 「創主様、風邪ですか?」 「いや、うん……この感じは多分、花粉症かな。ここ最近、あったかかったし」 ページ: 1 2
JINKI 169 エルニィの家で 「あっ、立花さん! そんなところで寝転がっていると、風邪を引きますよ」 「あー、うん。小うるさいなぁ、赤緒は。ボクのおかんじゃないんだからさ」 エルニィは寝転がりながらスナック菓子を頬張っていると、今度はさつきからの注意が飛ぶ。 ページ: 1 2 3
JINKI 168 明日に続く道を信じて 「それにしたって、また京都にとんぼ返りとはねー」 新幹線の席に乗り合わせた南は、同行しているエルニィに視線を投げる。 「それって本当なんでしょうね? 京都に強い血族が居るって言うの」 「知んないよ。友次さんの情報でしょ。あの人秘密が多いったら」 ページ: 1 2 3