JINKI 173 メカニックの乙女道

「お邪魔しまーす……って、誰も居ねぇでやんの」

 一応はインターフォンを鳴らして窺ったものの、人の気配は皆無で、シールは肩透かしを食らった気分であった。

「境内のほうには……格納庫か。いいのかねぇ、こんなに無防備で。とは言ったって、オレらだって押し入り強盗じゃないんだから、まぁいっか」

レイカル31 4月 レイカルとお花見

『明日は広い地域で雨になるでしょう。夜には冷え込みますので、春先の防寒はしっかりと!』

「げっ……ちょっと、小夜ー。生憎の雨ですって。いやねぇ、せっかく花見に作木君を誘ったって言うのに、これじゃあお流れかもって……小夜?」

JINKI 169 エルニィの家で

「あっ、立花さん! そんなところで寝転がっていると、風邪を引きますよ」

「あー、うん。小うるさいなぁ、赤緒は。ボクのおかんじゃないんだからさ」

 エルニィは寝転がりながらスナック菓子を頬張っていると、今度はさつきからの注意が飛ぶ。

JINKI 168 明日に続く道を信じて

「それにしたって、また京都にとんぼ返りとはねー」

 新幹線の席に乗り合わせた南は、同行しているエルニィに視線を投げる。

「それって本当なんでしょうね? 京都に強い血族が居るって言うの」

「知んないよ。友次さんの情報でしょ。あの人秘密が多いったら」